これまでの優秀・優秀に準ずる提言

「多主体連携による家庭版ESCOスキームを用いた家庭部門の省エネルギーの推進」(18年)

[株式会社 びわこ銀行 / 滋賀県電器商業組合 / 財団法人 地球環境戦略研究機関]

(1) 概要

家庭部門におけるESCO実施に際する問題を解決すべく、以下の施策を組み合わせた家庭に対して無料でサービスを提供するESCOスキームを構築する。

  1. 省エネ対策や買換え診断を行う人材を育成・認定する「省エネ・ESCO診断士制度」の創設
  2. 家庭における各種省エネ対策の実施および高効率機器への買換えによる省エネ・光熱費削減効果や、省エネ機器ローンを利用した場合の家計収支を算定する「ESCO診断ツール」の開発
  3. 将来の光熱費削減分を返済原資とした「家庭版ESCO向け省エネ機器ローン」の創設
  4. 金融機関や省エネ診断士等のスキーム参加主体の取りまとめ事務局、及び家庭向けESCOの広報
  5. 活動、受付窓口等の役割を果たす「家庭向けESCOセンター」の設置
  6. 省エネ機器ローンの利便性を高めるための利子補給制度の創設(オプショナル)

(2) 政策反映状況

平成19年度にフィージビリティ調査を実施した。滋賀県において、診断員35名を養成し、100名のモニターを募集、87名が省エネ診断を実施し、実際に買い換えが行われたのは23件だった。本調査を踏まえ、兵庫県で平成20年度及び21年度に「兵庫県うちエコ診断」としてパイロット事業が行われた結果、CO2削減行動の実施促進効果が高かったことが明らかになり、平成22年度より同県が全県展開を行っている。

環境省では、「うちエコ診断員」が各家庭を訪問し、家庭のエネルギー消費状況の把握と省CO2・省エネ対策を提案する「うちエコ診断」を平成23年度から実施することとし、全国の地球温暖化防止推進センターを窓口に診断を受け付けている。

また、環境省は同じく平成23年度から約1,000世帯の家庭を「うちエコモニター」として募集、ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)を導入し、「うちエコ診断」を受診いただく事業を実施している。この事業により、電力使用量等の計測・集約・分析を行い、「うちエコ診断」の効果の定量化と診断手法の精度向上を図ることとしている。